茨木のり子さんの「みずうみ」という詩を思い出した。
「みずうみ」 茨木のり子
<だいたいお母さんてものはさ
しいん
としたとこがなくちゃいけないんだ>
名台詞を聴くものかな!
ふりかえると
お下げとお河童と
二つのランドセルがゆれてゆく
落葉の道
お母さんだけとはかぎらない
人間は誰でも心の底に
しいんと静かな湖を持つべきなのだ
田沢湖のように深く青い湖を
かくし持っているひとは
話すとわかる 二言 三言で
それこそ しいんと落ちついて
容易に増えも減りもしない自分の湖
さらさらと他人の降りてはゆけない魔の湖
教養や学歴とはなんの関係もないらしい
人間の魅力とは
たぶんその湖のあたりから
発する霧だ
早くもそのことに
気づいたらしい
小さな
二人の
娘たち
****
私も誰にも知られない「深い小さなみずうみ」があるかしら?
あまりにちっぽけで「みずたまり」くらいでしかないのかな?
以前吉井さんが「心に青い小箱を秘めている女性であって欲しい」というような事を言っていたけれど、
吉井さんのいう「青い小箱」と、この茨木さんの描く「みずうみ」は共通するのだろうな。
心のみずうみにたっぷりと水を蓄えて、色んな外界からの刺激や
感動や哀しみにちゃんと響く事が出来る水面を私も持ちたいと思う。
難しいけどね♪
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